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対話の面白さを体感できる!ルールメイキング対話クエストが完成
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レポート

~村の穏やかな日々がくずれ去る!?世界の平和のために必要なものとは?~
かつて、ここは誰もが平和を信じ、穏やかな日々を過ごしていた世界だった。しかし、その平和は突如としてくずれ去った。
ある日、世界の中心から黒い雲が渦巻き、やがてそれは漆黒の闇へと変わった。そして、闇の中から現れたのは、見るものすべての心に恐怖をきざみつける魔王だった。
・・・
いち早くミッションをクリアして、ゴールにたどり着き、その手に伝説の武器を手に入れよう。そして、漆黒の支配者、魔王をたおし、再びこの世界に平和を取り戻すのだ!
そんな物語からはじまる「ルールメイキング対話クエスト」では、プレイヤーは魔王に襲われた4つの村に住むそれぞれの勇者という設定です。武器を手に入れるための冒険の旅の中で、プレイヤーは与えられたミッションをクリアしながらゴールを目指します。
お互いが違う村の勇者として、自分の村を救おうと奮闘しますが、思いもよらぬ邪魔が入ったり、自分一人ではどうにもできない場面が立ちはだかったりします。
4人の勇者が目指している本当のゴールは一体なんなのか?どうすれば自分の村を救うことができるのか?ゲームの中で起こる様々な体験を通じて、対話の重要性や、お互いの行動や意見の背景を知ろうとすることの大切さがメッセージとして子どもたちへ届けられます。
なぜルールメイキング対話クエストは生まれたのか
みんなのルールメイキングでは、校則やルールなど学校の課題をテーマに、児童生徒・教員・保護者など様々な立場の関係者同士が「対話を通じた合意形成」を図る取り組みを、全国の学校へ届けています。単に学校の校則やルールなどを「変える」ことが目的ではなく、対話を重ねながら、みんなの納得解をつくっていくプロセスを大切にしています。
これまで全国の小中高等学校で「ルールメイキング」が実践され、2025年4月現在、500校を超える学校がカタリバと連携して取り組んでいます。カタリバでは、ルールメイキングに取り組む学校を対象に、児童生徒が学び合うイベントを毎年開催し、子どもたちに対して「対話の大切さ」を伝え続けてきました。
しかし、それまで培ってきた対話の体験が少ない子どもたちにとっては、言葉で伝えるだけでは十分ではないのではないかという疑問がありました。私たちが出会う子どもたちは、年齢も住む場所も、ルールメイキングの実践経験もさまざまです。
はじめて対話の場に参加する子も、自分たちが対話の場の作り手になったことのある子も、いつもは教える立場になる教員も、誰もが対等に学べ、自由な発想を促し、その場に集まったみんなで「対話っておもしろい!」という共通の体験や発見を得てほしいー。
そんな対話の大切さや楽しさを「体感」してもらいたいという願いから、「ルールメイキング対話クエスト」を制作しました。
また、ゲームはお互いの関係性を解きほぐし、自分の意見を相手に伝えるきっかけを作ってくれます。いざ対話の場に参加しても、意見を言うことに不安を感じる子どもたちにとって、一歩を踏み出す勇気を与えてくれる、そんなツールになることを願っています。
共同制作者の思い
今回のゲームの制作には、シリアスボードゲームクリエイターの松木崇晃さんにもご協力いだきました。

シリアスゲームとは、社会問題の解決を目的としたゲームです!
ゲームを通じて、問題の当事者になりきって構造を理解したり、普段と違う立場で対話をしたり、普段の自分では考えつかないような新たな発見をしたりする点に面白さを感じています。特に、ゲームに込める「伝えたいメッセージ」を練り上げる中で自身の価値観と向き合い、試行錯誤を繰り返してゲームを形にしていく創造的なプロセスがゲーム作りの醍醐味です!今回作成したルールメイキング対話クエストは、1回目は、プレイヤーは互いのゴール条件を知ることができませんが、2回目では互いのゴール条件を事前に開示することになります。この仕組みは、本当は全員同じゴールを目指しているはずなのに、お互いの考えが分からないから物事が進みづらくなる現実を反映しています。「対話は大事!」と分かっていても、なかなか体感はできません。だからこそ、対話の重要性を伝えられるゲーム作りに注力しました!
こんなときにルールメイキング対話クエストが活躍します
▼授業の中で使えます!
「対話」について、難しいイメージを持っている方も少なくないと思います。このゲームは授業でも使っていただけるよう、1ゲーム最短約45分間で設定されています。「これから児童生徒たちと一緒に対話をしていきたいけれど、何からはじめたらよいだろう」と思う場面で、授業でゲームを実践することにより、みんなで楽しく対話の大切さを体感していくことができます。
▼アイスブレイクにも!
4人1組になって取り組むゲームですが、100人でも実施が可能!学級や委員会といった小規模な場から、イベントや全校児童や生徒が集まる行事のアイスブレイクにもお使いいただけます。
実践例はこちら
実践した生徒や教員の声
▼生徒の声
・中学2年生
ゲームを通じて、対話で行動や意見の理由、背景を共有することで、相手の目的に合わせて行動できることを実感しました。行動の目的を設定することで、方向性が決まるので、それを意識することで方向性がずれず、協力しやすくなると分かり、学校でも最上位目標が大事だと感じました。
・高校2年生
1人ひとりが目的を共有せずに動くと、上手く協力できなかったり妨害してしまっていたが、話し合うことでお互いの道のりが明確になりました。

▼教員の声
・教員・片山京子さん(神奈川県立大和高等学校)
前任校の相模女子大学中学部で生徒たちと実施しました。中学生にはルールが難しいかと思いましたが、「こんなに話し合うゲームははじめて。自分でもルールを作りたい」と生徒たちが対話の楽しさを感じたようです。自分と相手の希望が異なる時、納得解を探していくことは、普段の生活にも生きると思います。また、チームで動く際、目的を確認しながら進めていくことの重要性も理解していましたので、その「練習」としても、対話クエストは有効だと感じました。
・教員・谷口大祐さん(愛媛県立丹原高等学校)
対話クエストを実践してみて、生徒同士が互いの価値観や背景を尊重しながら関係性を築くプロセスを、楽しみながら体験できる“おもしろい”ツールだと感じました。「相手の目的を理解し、協力し合う」ことが「みんなの幸せ」につながると気づく瞬間に、深い学びがあると実感しました。ゲームを通して“おもしろい”から“やってみたい”が生まれ、共創の力が学校や地域、社会参画へのきっかけになると感じています。
どこで手に入るの?
認定NPO法人カタリバ みんなのルールメイキングの下記のお問合せフォームからお申込みいただくと、無料でお貸しできます(往復送料は依頼者負担)。お貸しできる対象は全国の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校です。
「対話クエストの貸出希望」とお書きのうえ
利用したい日程を添えて送信してください。
学校の場所や時間帯によっては、ご希望に合わせてカタリバからゲームのファシリテーターを派遣できる場合があります。まずはお気軽にお問い合わせください!
セット内容のご紹介
・冒険の書(ルールブック):1人1枚
・ゲーム盤:1枚
・数え棒
・宝石ピース(経由地用)
・コマ:4つ
・モンスターパネル
・ミッションカード:4枚
・ゴールカード:4枚
上記以外で各自でご用意いただくもの
・サイコロ:1つ
なお、セット数には限りがあるため、同時にたくさんのセットを利用したい場合は、印刷データを差し上げますので、ご自身で冒険の書、ゲーム盤、モンスターパネル、ミッション・ゴールカード印刷して利用いただくことも可能です。
※その場合、数え棒、宝石ピース、コマはご自身でご用意ください
制作者情報
制作・著作 認定特定非営利活動法人カタリバ みんなのルールメイキング
制作協力 シリアスゲームクリエイター 松木崇晃
デザイナー luck-mook 野澤佑妃
ぜひみなさんもお試しください!
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