【イベントレポート】1月28日、関西の児童生徒・先生100名が集結!ルールメイキング関西地域生徒大会を開催

ルールメイキング・地域生徒大会は、ルールメイキングに取り組む小中高生が、学校以外の場所で仲間と出会い、学び合う機会を作りたいという思いから昨年よりスタートしたルールメイキング実践報告会です。

関西地域での二度目の開催となる今年は、1年間の実践と学びをまとめた活動発表や、全国史上最年少の市長となった高島りょうすけ氏(兵庫県芦屋市長)をゲストに迎え、中高生や先生とルールメイキングの必要性について対話するトークセッション、生徒同士のワークショップを実施しました。
本記事では、当日のイベントの様子をレポートします。

それぞれの取り組みを発表、対話をしながら学びを深め合う子どもたち

イベントは、大阪府・梅田にある「関西大学・梅田キャンパス MeRAISEホール」にて開催。大阪・京都・滋賀の小中高生全13校86名、先生28名、他観覧者などを含めると180名以上が集まりました。

【当日発表した11の学校(以下順不同で学校名を記載しております)】
泉大津市立小津中学校 和泉市立和泉中学校 追手門学院大手前中・高等学校 大阪夕陽丘学園高等学校 大阪府立吹田東高等学校 京都府清明高等学校 東大阪市立布施中学校 枚方市立楠葉西中学校 枚方市立五常小学校 吹田市立豊津中学校 立命館守山高等学校

プログラム開始前に簡単なアイスブレイクをしながら、自己紹介を行いました。企画・進行は、追手門学院大手前中・高等学校の生徒たちが担当。

児童・生徒たちは、緊張しながらもルールメイキングに取り組む他校の仲間たちと出会えることを楽しみにしながら参加してくれている様子でした。

まずはじめに行われたのは、各校による「ポスター発表会」。
各校、事前に準備してきたポスターやスライドを用いて、これまでのルールメイキングの取り組みを発表しました。

会場では、学校ごとにブースを設置し、それぞれのブースで児童・生徒たちが中心となり「発表(5分)+対話(10分)」を行いました。参加校の先生には、他校のファシリテーターを担当していただき、発表校以外の生徒・先生、観覧者は、ブースを見て回りながら、対話に参加しました。

発表校の児童・生徒たちは、自分たちが取り組んでいるルールメイキングを始めた背景、活動をする中で関わってきた仲間や先生、大人とのコミュニケーションを通じながら学んだことやこれからの課題、目指す未来について語ってくれました。対話の時間には、児童・生徒がそれぞれの悩みを相談し合う場面も。

ある生徒から「どうやったら先生や他の仲間をもっと巻き込んでいけるのか」という質問が上がりました。

それに対し、別の生徒から「先生たちに相談するのは怖かったけど、話してみると好意的な反応が返ってきて、いいじゃん!と言ってもらえた。まずは対話の機会を設けることが大事」「バトルをするのではなく、意見交換だと捉えると良いと思う」といった意見が上がってきました。

また、ファシリテーターの先生方も他校の発表を聞き、先生側の悩みを児童・生徒たちにぶつけることで、学校や立場の違いを超えて、互いの学びを深める場となっていました。

対話を通じて、自らの活動を振り返ることで、新たな学び・今後の活動の活力になっているようでした。

高島市長とのトークセッション、ルールメイキングのあり方とは?

各校のポスター発表を終えた後、兵庫県芦屋市の高島りょうすけ市長をゲストに迎え、小中高生と先生を交えながら、ルールメイキングの必要性について対話をするトークセッションを行いました。

高島市長は、史上最年少市長として注目されていますが、自身が中学・高校の頃生徒会長として学校でルールメイキングをしていたそうです。その経験から現在の芦屋市での活動についてお話しいただきました。

芦屋市の中にも「校則を変えたい」という生徒がいて、学校と協議しているがなかなか話が進まないと相談を受けたそう。

そこで、市長と生徒だけで集まり、どうやったらみんなが納得する校則づくりができるのか、作戦会議を実施。校則が変わっていくことで、学校が荒れていると思われると心配する声があると分かり、学校だけでなく、地域とも対話が必要だと気づいたと語りました。

また、高島市長は、学校づくりだけでなく、町づくりにおいてもその観点は大事だと言います。

高島市長:対話を大事にしながら「批判より提案してもらえる役所、要望よりお誘いをしてもらえる役所」を目指し一緒に変えていこうという姿勢で取り組んでいます。

参加者たちは高島市長の話を聞きながら、メモを取ったり、深くうなずいたりしながら熱心に耳を傾けていました。

ルールメイキングとは、学校内に限らず、地域社会や市政でも必要な活動だと新たな気づきを得た時間となりました。

その後、ルールメイキングを実践する小中高の児童・生徒、そこに伴走する先生を交えたトークセッションと質問タイムを実施しました。

ルールメイキングをするうえで大事にしていること・学んだことは何ですか?という問いに、児童・生徒からは様々な意見が上がりました。

登壇した高校生:ルールメイキングを進めるうえで、少数派の意見も大事にしています。必ずしも多数派が正解だということはないため、すべてを多数決で決めず、色々な人の声に耳を傾けることを大切にしています。

また、こういった場で同じ志を持つ仲間に出会い、それぞれの悩みや違いを体感できる場所があることは大事だと感じています。

登壇した中学生:対話が大事だと言うけれど、それって本当に”対話”できているかな?と思うことがあります。対話というのは、意見のぶつかり合いではなく、素直に受け入れて、お互いの意見を照らし合わせていくことだと思っています。自分だけでなく、みんなにとっていい校則やルールづくりを目指したいです。

登壇した小学生:ルールを作るのは簡単だけど、みんなに理解してもらうことが一番難しいと感じています。だからこそ、みんなが分かりやすいルールづくりを心がけています。

生徒・児童からの意見を聞いて、高島市長や先生からも率直な意見が上がりました。

高島市長:小中高生なのに、すごいね!と言っていてはダメ。これを当たり前にしていかないといけないなと思います。

また、言葉遊びをしないってことは大事ですね。大人だから、子どもだからというのではなく、常に対等に接すること。違うことは違うと言っていい。大切なのは、人としてどう向き合うかです。大人もカッコつけずに困っていることは困っていると子どもたちに伝えてもいいと思います。

先生:大人も困っていることをはっきり子どもたちに言わないことが多いと感じています。自分自身もはじめはそうでした。でもいざ、先生もこんなことに悩んでいるから一緒に考えてほしいと伝えると、子どもたちも真剣にこちらに向き合ってくれることに気づきました。大人だから・子どもだからと線引きをせずに、一緒にルールメイキングをしている仲間だという姿勢をお互いに持つことが大事だと思っています。

先生:今困っているんだということをオープンにすることは大事ですよね。私の学校のルールメイキング活動では、全員あだ名で呼び合うようにしています。先生も生徒もフラットに対話することができるきっかけにもなっています。

校則見直しから始まった活動も、学校と子どもたちの関わり方が変化していくことで、少しずつ子どもたちの意見を学校に反映させ、生徒主体の学校づくりへと変化していることがこのトークセッションから見えてきました。

振り返りワークショップ

最後に、今日の振り返りをシェアし合い、明日からの「わたしのアクション」を児童・生徒、先生それぞれで考えました。

参加者の声

【児童・生徒】

  • 他の学校の話を聞いて、校則の見直し以外にも行事など自分たちでやってみたいと思った
  • 他の学校も同じようなことで悩んでいるとわかって安心した。色々な方法を吸収することができた
  • 学校に関わる全ての人が当事者意識を持てるようにしていきたい
  • 地域の人に理解してもらうためにアピール動画を作ってみようと思う
  • 友達をルールメイキングに誘ってみたいと思った
  • 自分の当たり前を疑い、一人で考えず、周りと相談しながら進めていきたいと思った。

【先生】

  • ルールメイキングを通して学校のあり方を考えていきたい
  • 少数派の意見を認めて、寄り添い対話することが大切だと思った
  • 今日の学びを同僚とも共有し合う
  • 生との声を信じ、伝えていきたい

今回のイベントを通じて、新たな学びを得つつ、同じ悩みを持つルールメイカーたちに出会うことで、明日からもまた頑張ろうと互いにエネルギーをチャージするような場になりました。

こういった地域の繋がりを活かしながら、ルールメイキングの取り組みを広げていき、生徒主体の学校づくりのきっかけづくりを続けていきます。

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