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先進企業から、ルールメイキングのヒントを得る――高校生がZOZO本社に訪問インタビュー――
レポート
4月25日、立命館守山高等学校(滋賀県守山市)の3年生たちが、自身の探究活動についてのヒントを得ようと、社員の自由と個性を尊重する社風で知られる株式会社ZOZOの本社(千葉市)に訪問、社員の方々にインタビューを行いました。
今回は、高校生たちが日ごろの悩みや課題について、社員の皆さんと率直に意見交換した様子をレポートします。
高校生の悩みから、企業へのインタビューが実現
ZOZOへのインタビューを行ったのは、同校のNさんとFさん(いずれも3年)。Nさんは「多様性を認め合い、誰もが自信をもって過ごせる環境をつくる」ことをテーマに探究活動に取り組んでおり、特に「コンプレックスを持つ人も、メイクをすることで自信が持てるようになってほしい」と考え、メイクに関する校則の見直しに取り組んでいます。
また、Fさんは同校のルールメイキング委員会で委員長を務めます。「委員会メンバーや理解のある先生と活動しているが、それ以外の生徒・先生からの認知度が低い」ことを課題に感じ、「どのようにして、より多くの人を巻き込んでいくか」を探究活動のテーマにしています。
この日、インタビューに応じてくださったのは、ZOZOで社会貢献活動を担当する同社CI本部フレンドシップマネージメント部CSRブロックの篠田ますみさん、鹿子聡美さん、李銀珠さん。開放感のある同社オフィスで、笑顔を交えながらご自身の思いを語っていただき、高校生との対話が弾みました。
仕事は自然に、自分らしく取り組むもの
まず、Nさんは「自由な会社にしようとしたきっかけは?」と質問。篠田さんは、自由を重んじる社風は創業以来のカルチャーであることを説明し、「しごとは、『仕事』ではなく『自事』と考えています。仕えることではなく、自然なこと、ありのまま自分らしくいられる場所という意味です」と社員の意識を教えてくれました。「社員が増えていく中で、全員が気持ちよく働けるよう、むしろルールを作ってきました」と同社でもルールメイキングを続けてきたことを語りました。
「変えたい理由」だけでなく、「変えないリスク」も考える
Nさんは自身の探究テーマに絡めて「私は、外見で人に偏見を持つのは間違っていると思います。高校生は自分の顔にコンプレックスを持つ人も多いからこそ、メイクも認めてほしい。でも、どうしたらたくさんの人に共感してもらえるでしょうか」と考えをぶつけます。李さんは「私は高校時代、ルールを疑わずに従っているタイプでした。だから、ルールの意味について考えて、行動しているNさんが素晴らしい」とNさんの気持ちに寄り添います。
篠田さんは、「会社でも実際にルールを変えてきている」と社内の取り組みを明かします。例えば、子どもが3歳以上になっても時短勤務を選択できたり、配偶者の定義に同性パートナーを含んだりするなど、多様な生き方・働き方に合わせて就業規程の見直しを続けているといいます。 この経験を踏まえ、篠田さんは「本当にルールを変えるためには、『変えないことのリスク』をちゃんと伝えていくことが大事」とアドバイスを送ります。「会社も学校も、人が集まってくれないと続いていかない。10年後に、今のルールや価値観で、人は集まるのか?と自分なりに考えて、根拠を持って提案することで説得力は高まるはずです」(篠田さん)
「自分事」に感じてもらう仲間を増やすには?
一方Fさんは、ルールメイキング委員会を引っ張る立場から、悩みをぶつけました。「どうすれば、ルールメイキングを『自分事』に捉えてもらえるか」との質問に、鹿子さんが物流拠点で勤務していた経験から、「スタッフの年齢も人柄も本当に多様で、感じていることや考えも人それぞれでした」と当時を振り返ります。「でも、意見が違う人の考えも全部聞き、一人ひとり丁寧に対応することを心がけていました。誰か一人が(主体的な姿勢に)変われば、その隣にいる誰かも変わり、一歩ずつ全体の雰囲気が良くなっていく」と語りました。
また李さんは、「キーパーソンを見つけること」の重要性を指摘します。「社長や校長、あるいは友達が多い人など、影響力がある人に仲間になってもらうことで、より広く・より早く影響を及ぼすことができる。キーマンを口説くのは大変だけど、粘り強くアタックしてみて」とFさんを激励しました。
意見を言いやすく、主体的に参加できる話し合い
Fさんは「話し合いを仕切る時の心がけは?」とも質問。鹿子さんは、会議だけでなく日常からフラットに意見を言い合える空気を作ることが大切だといい、社内では上下関係にとらわれずあだ名で呼び合う文化があることを説明。そして会議の場では「相手の意見を否定せず、より良くする方法を一緒に考えます」と、チームビルディングの姿勢を明かしました。 李さんは「全員の意見を聞くことも大事」と指摘します。篠田さんはこれに頷き、「『自分にも発言機会が来るかも』と思うことで、参加者は主体的に話を聞くようになるし、自分なりの意見を持てるようになると思う」と補足しました。
約1時間のインタビューを経て、NさんとFさんは「ZOZOの社員さんたちは予想以上に自由に働いていて、刺激になった」と語りました。鹿子さんは、高校生の活動に対して「自分でどうすれば良いのかを考えて、実際にアクションを起こしていることに心を動かされました」と話します。
鹿子さんたちが所属する、社会貢献を担う部署では「FUTURE FOR YOU」をキーワードに、教育・スポーツ・寄付支援などの分野で、次世代のための未来づくりに取り組んでいます。鹿子さんは「これからも、ルールメイキングをはじめとする次世代の若者が自分らしく過ごせる社会を作る取り組みをお手伝いしたい」と話しました。
※ZOZO本社へのインタビューのご依頼は、現在受付を終了しています。
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