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第13回教員交流会 ルールメイキング・サミット2023で得た学びと生徒の変化
こんにちは、ルールメイキング事務局です。
対話的な校則見直し、生徒主体の学校づくりに取り組んでいる先生方のコミュニティ「ルールメイキング・パートナー」では、月に1回程度、定期的に教員交流会を開催しています。
10月13日に開催された第13回教員交流会のテーマは「ルールメイキング・サミットを振り返ろう」でした。
今回の教員交流会は、9月24日に開催された「ルールメイキング・サミット2023」の振り返り会として、事務局や先生方同士でサミットに参加した感想や生徒たちの成長等を語り合いました。
事務局によるサミットの振り返り
昨年に引き続き二回目となった「ルールメイキング・サミット2023」。今年は「自分が”今”変えたいことを変えるエネルギーとアイデアを得る」というテーマのもと開催されました。全国各地から総勢100名を超える生徒たちが都内の会場に集まり、各自がこれまで行ってきたルールメイキング活動の様子や想い等を共有しました。
参加した生徒たちからは「同じような悩みを持った仲間がこんなにもいるのだと勇気づけられました」「私が知らなかっただけで多くの中高生が自らの意思を持ち、学校という名の社会を改善するために、勇敢に立ち向かっているということを知ることができました。私は、1人ではなかったです」というような感想が寄せられました。
事務局としても、参加した100人100通りの声を聴くことができ、また「校則を変えた」という結果に限らない多様な事例が集まったと実感しています。一方で、次回のサミットでは企画段階から「子どもの声」をより反映するとともに、今以上に子どもだけでなく「大人」も変わるきっかけの場にしたいと考えています。
「『意見を言えるかな』から『もっと言いたい、伝えたい』へ変化」先生同士の振り返り①
事務局からの発表の後は、ブレイクアウトルームに分かれて先生方で振り返りを行いました。
愛媛から参加した先生は「自分の意見を言えるかな」から「もっと言いたい、伝えたい」という想いに変化したある生徒の話をシェア。「小さな変化ではありますが、この積み重ねが生徒たちのやってみたいという意識や主体性の形成に繋がっていくのかなと思いました」と語りました。
ほかにも、サミットを経て生徒たちのルールメイキングに取り組む際の着眼点が変化したという声が挙がりました。ある特定の校則見直しを目指すのではなく「改定のプロセス自体を変えたい」「○○の項目はモラルだから明記する必要はないのでは」といった意見が生徒たちから聞かれるようになったと言います。
また、各地で活動していた生徒たちが東京に一堂に会したことで得られたものもあったようです。大阪から参加した学校の先生は「これまでのルールメイキングの活動が評価されたという経験自体も生徒たちにとって良い影響になったようです。ある生徒は、元々は学内外の活動に積極的に参加するタイプではありませんでした。ですが、サミットを経て自分の意見を臆することなく言えるようになり、生徒会の副会長を務めることにもなりました」と生徒の成長をシェアしました。
ほかにも、他校と連絡先を交換した生徒など、オンラインではなくリアルに交流できたことで繋がりも生まれています。
反対にサミットで悔しさを感じ、これからのモチベーションを得た学校もありました。ルールメイキングをはじめたばかりの学校から参加した生徒は「他の参加者たちのレベルの高さに圧倒された。自分たちの力で学校を変えようとしている高校生たちの存在に衝撃を受けた」と語ったそうです。そしてこの学校では、サミットに参加しなかった生徒たちも交えて振り返り会が行われ、学びの輪が広がっています。
「大人たちも変わる必要性を実感」先生同士の振り返り②
もう一つのブレイクアウトルームでも、サミットの様子や今後の課題について共有が行われました。
ファシリテーターとして生徒たちの対話に参加した先生は「生徒と先生」という立場を超えて、ルールメイキングへの想いや難しさを共有できたと語りました。「色々な子どもたちや他の学校の先生方と会うことができ、胸が熱くなりました」。
また、「これまでオンラインのみの交流だった先生方と対面で会い、同じ目標を持つ者として『はじめまして』の感じもなくお話できてよかった」と語る先生もいました。
一方、大人たちが変わる必要性を感じた先生も。「生徒たちの何とかして先生たちに理解してもらいたい、認めてもらいたいという強い想いが伝わってきました。大人たちがもっと子どもたちの声を聴かなければならないのではないかと実感しました」。
さらにサミットの振り返りだけでなく、今後どうルールメイキングを進めていくかについても話が発展しました。サミットの観覧者として参加した先生から「現在、保護者や他の先生方の声を集めることに難しさを感じています」という相談がありました。
これを受け、他の先生からは「私の学校でもはじめは保護者の声を十分に聴くことができませんでした。Webサイトでの共有やプリントの配布等は行っていたのですが……。ですが、ルールメイキングのための保護者会や三者対話会などを開いていくうちに、保護者も巻き込めるようになりました。やはり話すことが大切だと感じています」とのアドバイスがありました。
今回の教員交流会では、サミットに観覧者やファシリテーター等さまざまな立場で関わった先生方の熱い想いに触れることができました。サミットに参加した方もできなかった方も、会場の熱気を感じるとともに、生徒や先生たちの学びを知ることができたのではないでしょうか。
まだまだ続く!ルールメイキングイベント
ルールメイキング・サミット2023は閉幕しましたが、今後もさまざまなイベントを予定しています。一つ目は”ルールメイキングのはじめの一歩”をサポートする「ルールメイキング・スタートアップ研修」。こちらの研修は、3日程にわたって無料・オンラインで開催します。校則や生徒指導についてじっくりと考えてみたい、他の学校の様子を知りたいという先生方は、ぜひご参加ください。
ほかにも「ルールメイカー100対象アフタープログラム」も実施予定です。事務局は今回サミットに参加した生徒たち100名を引き続きオンラインでサポートしていきたいと考えています。このプログラムではサミットのリフレクションを行うとともに、会場で生まれた繋がりを再確認することで、次年度の活動への橋渡しができたらと思います。
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ルールメイキング・パートナーは、生徒主体の校則見直しや学校づくりをはじめたい、既に実践している小・中・高校の先生が無料で参加できるコミュニティです。
登録には学校承認は不要で、先生個人での申込みが可能です。毎月、教員交流会と題したオンライン勉強会・交流会に参加できる他、ルールメイキング事務局との無料相談や、生徒同士の交流会への招待等をご案内しています。
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