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福島県教員研修「『校則見直し』を正しく理解する」
自治体事例
「みんなのルールメイキング」は、各学校のルールメイキング活動を個別にサポートするだけではなく、自治体と連携した普及にも取り組んでいます。
10月27日、福島県教育委員会が主催した「校則見直しのための教員研修会」に登壇しました。同研修はオンラインで行われ、県内高校の教頭および生徒指導主事等あわせて約210名が参加しました。
校則見直しのための教員研修会を実施
福島県では教育振興基本計画に基づいて、身の回りや社会の課題を主体的に解決する力を育むために、生徒が主体的に学校運営に参加する取り組みを推進しています。
その一環で校則見直しにも取り組んでおり、生徒の意見、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか絶えず校則を見直し、生徒がそのプロセスに参加できるような環境づくりを行っています。
今回の研修は、校則見直しについて各校の先生が理解を深め、学校が積極的に取り組むための一助となるようにと、福島県教育委員会によって開催されました。その中で、カタリバは「校則の見直し事例について」というテーマで約1時間の講話を行いました。
カタリバ事務局によるルールメイキングの事例紹介
はじめに、校則見直しのこれまでの動向について紹介しました。2017年に頭髪の黒染め指導は「適法」と最高裁で判断された「黒髪訴訟」を発端に、全国的に校則見直しの動きが広まりました。そのなかで、カタリバは対立ではなく対話によるルールメイキングを目指し、活動を進めてきた背景をお話しました。また、12年ぶりの改訂となった「生徒指導提要」で、校則についてどう言及されているのかを確認しました。
つぎに、ルールメイキングに取り組む意義とその成果について。
実践校を対象としてカタリバが行った調査では、「自己肯定感や自己効力感、当事者意識が向上した」「職員室の雰囲気や、教員の関係性が良くなった」等のポジティブな変化がみられています。
また、ルールメイキングを行う際のステップについても動画や写真を交えつつ、詳しく説明。泉大津市立小津中学校や千葉県立姉崎高校等の取り組みを実践事例として紹介しました。さらに、活動がスムーズに行われた例だけではなく、難航した場面とその要因、その際にできる教員の役割や問いかけの事例についても提案しました。
最後は、「みんなのルールメイキング宣言」について。カタリバは2021年度、生徒・先生・サポーター(有識者)たちと、校則・ルールの制定や見直しを進めるうえで前提にしたい3つの原則と9か条をつくり、「宣言」としてまとめました。
活動のキックオフや振り返り等、いつでも立ち返ることができる指針の必要性と、校則を「見直し続ける」という視点の重要性を全体で確認し、1時間の講話を終えました。
12年ぶりの改訂版が今月公開された「生徒指導提要」でも、校則の運用や見直しに関する記述が追加されました。今回の研修を通して、改訂版生徒指導提要の内容にも合致するような学びを届けることができたかと思います。生徒指導提要の改訂をうけて、ガイドラインを作成して取り組んでいる自治体もあります。
生徒に主体性をもって校則見直しに取り組んでもらうために、先生として何を大切にしながら取り組むのか。先生方に対して、ヒントを得られるような機会を今後も提供していきます。
カタリバではルールメイキングに関する研修・講演を行っています
みんなのルールメイキングでは自治体が主催する教員研修等の機会に研修・講演の依頼を承っています。ルールメイキングについてのレクチャーやワークショップ等の事例をもとに、皆様のご要望にあわせてご提供しています。はじめは、ご相談ベースでも構いませんので、お気軽に問い合わせください。
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