静岡市研修会・小中高の校長 約120人が校則見直しについて考える

自治体事例

みんなのルールメイキングは、各学校のルールメイキング活動を個別にサポートするだけではなく、自治体と連携した普及にも取り組んでいます。

2022年10月5日、静岡市教育委員会が主催した「校則の見直しに関する研修会」に事務局の山本が講師として登壇しました。同研修には、同市立の小中高校の校長、約120名が参加しました。

静岡市は、2021年11月に「校則の策定および見直しに関するガイドライン」を示しました。それをふまえて、同市は本年度各学校で校則の必要以上に細かな規定やあいまいな規定などの見直しに生徒主体で取り組むことを目標としてきました。

なかでも、今回の研修は「他の自治体での実践事例を知り、今後の各校での計画や対応に役立てること」「生徒を主体とした取り組みや校則見直しのあり方等について理解すること」を目的に開催されました。

ルールメイキング事務局による講義「実践事例と概要の紹介」

ルールメイキングの概要とそれに取り組む意義、実践の過程について、スライドを交え講演を行いました。

はじめに、校則見直しのこれまでの動向について紹介しました。2017年に頭髪の黒染め指導は「適法」と最高裁で判断された「黒髪訴訟」を発端に、全国的に校則見直しの動きが広まりました。そのなかで、カタリバは対立ではなく対話によるルールメイキングを目指し、活動を進めてきた背景をお話しました。また、12年ぶりの改訂となった「生徒指導提要」で、校則についてどう言及されているのかを確認しました。

つぎに、ルールメイキングに取り組む意義とその成果について。実践校を対象としてカタリバが行った調査では、「自己肯定感や自己効力感、当事者意識が向上した」「職員室の雰囲気や、教員の関係性が良くなった」等のポジティブな変化がみられています。

その後、実践事例として大阪府の泉大津市立小津中学校の取組みを取り上げ、校則見直しのステップや、生徒が制作した活動動画を交えながら紹介。「立ち返る指針を持つ」ということをポイントとして伝えました。

みんなのルールメイキングでは、校則見直しの活動は校則を変えることがゴールではなく、校則を題材に生徒に届ける教育的価値について共通認識をもつことが重要です。研修の中では、具体的な実践を始める前に「なぜ校則見直しを実践するのか?」学校としての考えを整理する大切さをお話ししました。

最後はそれをふまえて、ルールメイキング事務局から「みんなのルールメイキング宣言」について紹介しました。この宣言は、生徒・先生・サポーター(有識者)たちと、校則・ルールの制定や見直しを進めるうえで前提にしたい3つの原則と9か条をつくり、まとめたものです。

いつでも立ち返ることができる指針の必要性と、校則を「見直し続ける」という視点の重要性を全体で確認し、約1時間の講話を終えました。

受講者からの感想・静岡新聞掲載

研修後に集められた振り返りシートでは、

・子どもたちの生の動きがビデオで視聴できて良かった。子どもたちがここまでできるのだということが分かってうれしい気持ちになりました。

・後期から具体的に見直しの動きを作ろうとしています。どの範囲で、どのレベルで生徒に下ろすのか、大変参考になりました。

・ルールメイキングのステップが非常に参考になった。また、生徒側が立ち返る指針をしっかりともっておくことが、校則の見直しをする上で必要であると強く感じた。

といった感想が寄せられました。

また、翌日の静岡新聞朝刊(2022.10.06)で本研修会が掲載されました。

カタリバではルールメイキングに関する研修・講演を行っています

みんなのルールメイキングでは自治体が主催する教員研修等の機会に研修・講演の依頼を承っています。ルールメイキングについてのレクチャーやワークショップ等の事例をもとに、皆様のご要望にあわせてご提供しています。はじめは、ご相談ベースでも構いませんので、お気軽に問い合わせください。

この記事をシェアする

新着記事

カタリバではルールメイキングに取り組む
学校・先生・自治体をサポートしています

すでにはじめている学校や自治体、個人の方のお問い合わせもございます。
まずはどのようなサポートが行われているかご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。