1年間のルールメイキング実践を振り返った2022年度最後の教員交流会を開催しました

こんにちは、みんなのルールメイキング事務局です。

3月29日に開催された、第8回ルールメイキング・パートナー教員交流会の様子をお伝えします。

今回は2022年度最後の教員交流会ということで、「1年間のルールメイキングの実践を振り返る」をテーマに開催しました。

今年度からルールメイキングに挑戦した学校や次年度に向けて準備中の学校など、さまざまな立場のルールメイキング・パートナーの先生方が参加しました。交流会に参加できなかった先生方にも、どのような振り返りがあったのかお伝えしていきます。

第8回教員交流会のテーマは「1年間のルールメイキングの実践を振り返る」

2022年4月からはじまった教員交流会。これまでには、ルールメイキングを実践した学校の事例報告や弁護士と校則について対話をする交流会など、さまざまなテーマで開催しました。

そして第8回目となる今回は年度末最後の開催ということで「1年間のルールメイキングの実践を振り返る」をテーマに、1年間の活動の振り返りや取り組みの感想など、活動の振り返りと次年度に向けた目標について対話をする交流会を開催しました。

交流は3名〜4名でランダムに分けられたブレイクアウトルームにて簡単な自己紹介を挟んだのち、1年間の振り返り+質問・対話の時間を設けて行われました。今回は2つのグループの対話の様子をお伝えします。

みんなで楽しく校則について話したい

1つ目はルールメイキングを実践されている大阪府の私立高校の阿藤先生(仮名)と、ルールメイキングに興味があり、初めてイベントに参加された2名の先生のグループです。

阿藤先生は、プロジェクトをはじめて2年目となる今年、学校全体にどうやって活動の認知や興味を広げていくかをテーマとして掲げた1年間だったと話します。

特にルールメイキングを推進する生徒会と、他の生徒の間ではルールメイキングに対する温度感に差があり、生徒会メンバーも先生も課題を感じていました。

それを解消するために、みんなが楽しく校則について話せる場を増やす目的で「校則ティーパーティ(お茶を飲みながら校則について語らう会)」を企画したり、ノベルティグッズを制作するなど、校則に対する難しさや敷居の高さを少しでも払拭できる機会を設けたといいます。

しかし、参加した生徒や先生が継続してイベントに参加することや、実際にプロジェクトメンバーに加入するまでには至りませんでした。

次年度は、生徒会が執り行うルールメイキングではなく、学校全体が取り組むルールメイキングとしてさらに活動の幅を広げていきたいと抱負を共有してくれました。

同じグループの先生たちからは「校則=堅苦しいもので、真剣に取り組まないと周りから認めてもらえないと思っていたが、楽しく校則を見直す気持ちも大切だと気づいた」

「生徒会や学年などの属性が異なる生徒同士が、気軽に交流ができるような場づくりを生徒自らが企画して発信できるのはとても参考になった」と感想を共有しました。

ルールメイキングを進めていると、ときには壁にぶつかることもあるが、それも成功に導くための大事なプロセスとして、楽しむ気持ちを忘れないようにしていきたいと、先生同士でも共感しあう時間になりました。

どこの学校でも不安や課題がある

2つ目は昨年から実践をはじめた愛媛県の公立高校の山中先生(仮名)と、ルールメイキングの実施に向けて学校内で奮闘されている東京都立の高校の浜川先生(仮名)のグループです。

山中先生は、ルールメイキングを実践するうえで、校則を変えることが目的にならないための仕掛けづくりを1年間試行錯誤しながら工夫したと話しました。

山中先生が特に工夫したことは対話の仕方と課題への向き合う姿勢です。

対話を学ぶにあたり、より多くの立場の人との対話の機会が必要と感じ、総勢60名以上の地域の住民や保護者など、さまざまな立場の人を呼んだワークショップを定期的に開きました。

また新しい校則や既存の校則の問題点を考える際にルールの本質や権利といった、専門的な視点からも考えることができるよう弁護士を招きました。ルールを見直す上で重要な要素でもある必要性や許容性、その二つを決めるためのプロセスなどについて学んだと話します。

話を聞いた浜川先生は「基盤をしっかりと築いて取り組まれていますが、どれぐらいの校則が見直されたのですか?」と質問。

山中先生は「結局見直された校則は冬服と夏服の間に着る合服で学校生活を過ごすことが認められたことのみです。ただ、校則の見直しを議決する職員会議で、ルールメイキングに参加していない先生から、自分事として捉えたような意見が挙がりました。小さなことかもしれませんが、本校にとっては大きな変化だと感じています。」と学校にはそれぞれの進むペースがあることを実感させられる発言でした。

続いて次年度について「校則見直しに保守的だったり、自分事としてまだ考えられていない人との対話の機会や納得解を得るためのプロセスの構築していくことです。」と語ってくれました。

浜川先生は「本校でもルールメイキングに対する不安の声があり、理解がまだ広がっていない状況です。なので、とても勇気づけられました。まずはできることからはじめていき、先生にとって、そして生徒にとって、どんな学校づくりを目指していきたいか改めて考えてみます!」と感想を述べました。

自分の学校だけが課題や不安を抱えているのではなく、似た境遇をもっていたり、常に不安との隣り合わせで取り組まれているお話は先生同士でも共感できることが多く、話が盛り上がりました。

「2023年は○にチャレンジしたい!」

グループでの対話交流会が終わり、最後に「2023年は●●にチャレンジしたい!」というテーマで参加された先生からの意気込みや目標を募集したところ、さまざまな声が挙がりました。

  • 保守的なスタイルから革新的なスタイルに変えていきたい
  • 学校が楽しくより良くなれるルールメイキングを目指していきたい
  • 生徒の成長に繋げられるキッカケを一緒に考えていきたい
  • 新しい赴任先で0からのスタートですが、頑張っていきたい

今回の教員交流会では2022年度の活動を振り返りながら、前進したことや抱えている悩みなどを共有し、次年度に向けたアイデアやエネルギーを得られる場となりました。

みんなのルールメイキングでは2023年度もルールメイキングを実践したい・実践しているすべての小学校、中学校、高等学校の先生たちの目指したい学校づくりをサポートしていきます。

先生同士のコミュニティで実践のヒントを学びませんか?

ルールメイキング・パートナーは、生徒主体の校則見直しや学校づくりをはじめたい、既に実践している小・中・高校の先生が無料で参加できるコミュニティです。登録には学校承認は不要で、先生個人での申込みが可能です。毎月、教員交流会と題したオンライン勉強会・交流会に参加できる他、ルールメイキング事務局との無料相談や、生徒同士の交流会への招待等をご案内しています。
(登録までの所要時間:1-3分程度)

ルールメイキング教員交流会とは

対話的な校則見直し、生徒主体の学校づくりに取り組んでいる先生方のコミュニティ「ルールメイキング・パートナー」では、月に1回程度、定期的に教員交流会を開催しています。こちらの教員交流会は、つぎの3つのことを大切にしています。ぜひお気軽にご参加ください。

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