第14回教員交流会 先生主催のルールメイキングイベントの活動報告 -生徒主体の企画・運営の秘訣と地域共助の強みとは?

こんにちは、ルールメイキング事務局です。

対話的な校則見直し、生徒主体の学校づくりに取り組んでいる先生方のコミュニティ「ルールメイキング・パートナー」では、月に1回程度、定期的に教員交流会を開催しています。
11月21日に開催された第14回教員交流会のテーマは「地域イベントの活動報告と各地域での今後について話し合おう」。

ゲストとして、石橋佳之先生(大垣市立東中学校 前校長)が登場。10月22日に開催された東海地域のイベント「ルールメイキング エリアカンファレンス2023@名古屋」の報告がありました。また、各地域でルールメイキングを自走して実践するための意見交換も行いました。

石橋先生より地域イベント開催の流れとポイント

東海エリアの中高生ルールメイカーが集合した「ルールメイキング エリアカンファレンス2023@名古屋」。対話を通じて活動を深め、学びや発見を発信する場として2023年10月に開催されました。近隣地域の9つの学校をはじめ、教育委員会や教育行政関係者等、計60名が参加しました。

運営組織は、石橋先生を中心とした教職員自主研修団体「ぎふ ルールメイキングプロジェクト2023」と各校の教員および生徒からなる実行委員会が中核となり活動の準備から当日の運営を行いました。

まずは、石橋先生からカンファレンスの様子と概要について紹介がありました。カンファレンスは2部構成で、前半はグループセッション。高校グループと中学校グループに分かれ、各校8分間の発表と対話を行いました。後半はワークショップで、ゲストとして名古屋大学教育学部教授 内田良氏、株式会社オフィスリブラの代表でありカタリバのルールメイキング・コーディネーターも務めた上松恵子氏、名古屋市教育長の坪田知広氏が登壇しました。

カンファレンスは盛会のうちに終了し、生徒たちは「退出してね」と声をかけられてもなおエレベーターホールや1階ロビーに残り、互いにSNSを交換したりゲストを囲んで交流したりしていたようです。

つぎに、運営のポイントと留意点についてお話がありました。一つ目に、石橋先生は東海地域の活動目標として「生徒主体の企画・運営」と「東海地域で自走すること」の2つを挙げました。生徒たちには「お客さん」として呼ばれて参加するのではなく、当事者意識をもち「自分たちの会」として主体的に活動してほしいとのことです。また、東海地域自体もカタリバによる伴走から自走へのシフトを目指していると語りました。

二つ目のポイントは、名古屋市教育委員会が後援についたことです。これによりイベントへの信頼性が高まり、宣伝チラシを各学校にスムーズに配布できたり、学校側も参加しやすくなったりしたそうです。

最後に、カンファレンス開催に至った道のりについて紹介がありました。きっかけは今年3月に大垣東中学校が主催した東海地域生徒大会。当時はルールメイキングが始動したばかりの学校が多く、活動の発表は先進事例校にとどまりました。その後、9月に東京で開かれたルールメイキング・サミット2023に参加できなかった生徒や、東海地域生徒大会に参加したより多くの学校に発表の場を用意しようと、今回のカンファレンスに至りました。

参加した生徒からは「特に印象に残ったのは愛知県立足助高等学校の取り組みで、グループごとに分かれてそれぞれの課題に向き合っているところに魅力を感じるととともに、僕たちの活動にも活かせないかと思った」「市邨高校の活動では、全校生徒が関わりやすい形で校則に向き合う機会(校則カフェ)をつくっていた。僕たちの高校で行うことは難しいかもしれないが、LHRを有効に使う手段として取り入れられないかと思った」といった感想が寄せられました。

他校と交流しながら、自分たちの学校でも実践できないか検討する良い機会となったようです。

今後の展望として、生徒主体の企画・運営をさらに促進するために、大学院生や大学生も含めた学生による実行委員会を強化していきたいとのことです。さらに、今年度中に東海・四国・関西・栃木で開催予定の地域生徒大会の連携も計画されています。

「イベント開催で大変だったことは?」参加者からの質問コーナー

石橋先生の発表の後は、交流会の参加者から質問が寄せられました。

「カンファレンスのグループセッションはどういうテーマで行われましたか」という質問に対し、「各校がうまくいっている事例を発表するというよりも、学校の枠を超えて相談し学び合う場となりました。例えば『中学校でルールメイキングを行っていましたが、高校では仲間がみつからず、一人で活動しています。どうしたら仲間が増えますか』という相談をした生徒もいました」との回答。

また「カンファレンス開催にあたって生じた課題」については「一番苦労したのは日取りです。ゲストや学校行事、会場等を考慮しながら日程を調整するのが大変でした。準備期間は半年弱かかりました」と話しました。

東北や九州など、各地域での今後の活動

最後に、東海にとどまらない他エリアでの地域イベントについても話題が広がりました。東北から参加した先生は「開催した場合、何校くらいが参加してくれるのか不安な部分はあります。また、東北で活動するルールメイキングに関連した大学の先生や教育関係者とも繋がっていきたいです」と今後の展望を語りました。

ほかにも、九州からの参加者は「私の学校は佐賀県に位置していますが、福岡との県境にあります。そのため、福岡の学校とも連携しながら、北部九州という枠組みからはじめ、徐々に広げていくこともできるのではと思います」と話しました。

最後に石橋先生から「年度内に計画している4つの地域生徒大会だけでなく、今後は東北や九州ともつながって頑張っていきましょう」という激励の言葉があり、交流会を締めくくりました。

先生同士のコミュニティで実践のヒントを学びませんか?

ルールメイキング・パートナーは、生徒主体の校則見直しや学校づくりをはじめたい、既に実践している小・中・高校の先生が無料で参加できるコミュニティです。

登録には学校承認は不要で、先生個人での申込みが可能です。毎月、教員交流会と題したオンライン勉強会・交流会に参加できる他、ルールメイキング事務局との無料相談や、生徒同士の交流会への招待等をご案内しています。

この記事をシェアする

新着記事

カタリバではルールメイキングに取り組む
学校・先生・自治体をサポートしています

すでにはじめている学校や自治体、個人の方のお問い合わせもございます。
まずはどのようなサポートが行われているかご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。